私こそ光る☆君 ~番外編~
「それじゃあそろそろ由依が痺れを切らしてしまいそうだから、出てきてもらおうかな」


ただの一笑で華麗に流したよ、この人。


しかも何?

ここからだとセットで死角になって由依の姿は見えないはずなんだけど……。

まさか透視?



カッカッカッ……。



色々考えているうちにヒールの音が響いて、由依が姿を現した。


う、そ……。


ふわりとターン。

腰に手を当てて……。



「エヘッ、似合うでしょ?☆」


Yes, of course!!


頭の中で何かが弾けた気がした。

由依の後ろ姿を上から下まで眺めてそう思う。


ウィッグのおかげで髪も長くなって、どこからどう見ても女の子だよ。


ピョコンとこちらを振り返った由依と目が合った。



抱っこしたい。


身体の奥がむず痒くなるような衝動に襲われる。

その衝動に逆らうこともできないまま、席を立って駆け出した。


同時に由依も床を蹴って前へ……。


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