私こそ光る☆君 ~番外編~
結局、紫水は水を差すだけ差してスタジオを出ていった。
「ヒカちゃん、どうかしたの?☆」
『ううん、何でもないよ』
私の様子が変なのを心配する由依の言葉に首を振る。
紫水なんか、女装に失敗して全国お茶の間の笑い者になってしまえ。
――10分後。
「んふふっ」
こわっ!!
さっきの笑みより怖い。
目の前に立つ紫水は私の思惑とは逆に、見事に女性に化けていた。
ゴージャス系の外国人さんモデルみたい。
あのファー、何の毛皮だろ?
紫水もどちらかと言えば中世的な顔立ちだから、ちゃんと美人さんに見える。
だけど、手に持った扇子で口元を隠しながら笑ってると怖いです。
捕って食べられるんじゃないかと……。
『「「はははー」」』
由依と遥と私、三人揃って乾いた笑いしか出て来ない。
清龍なんて複雑そうな顔をして押し黙ってるし。
だって、“怖い”なんて言った日にはどんな目に遭うか……。