私こそ光る☆君 ~番外編~
『他の二人は?

元気?』


仲間の顔を懐かしく思い浮かべながら問えば、遥は大きく頷いた。


「あいつらなら心配ねぇよ。

転んでもタダじゃ起きねーからな。

何より、この俺様がリーダーやってんだ。

そこいらのガキんちょ集団なんかに負けるかよ」


私もデビューから10年が経ち、後輩がたくさんできた。

事務所からも毎年若手のアイドルがデビューしている。

いずれ家の中が落ち着いたら復帰するつもりだけど、ついていけるか心配だった。

不安に思っていただけに、遥の俺様で強気な発言が嬉しい。




『待っててね、すぐ戻るから……』


「おう」


独り言のつもりで呟いた言葉に遥が応えてくれて、ほわっと胸の奥が温かくなった気がした。



ジャーッ。

カチャッ。


食事が終わって今はお皿洗い。

遥は先にお風呂に入っている。


手伝おうかと言ってくれたんだけど、仕事で疲れて帰っているだろう遥に少しでも早く休んで貰いたくて断った。



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