私こそ光る☆君 ~番外編~
ふいっ。
チュッ。
何故か顔を逸らして避けられてしまった。
「くっついてくるな」
吐かれる言葉は冷たく、突き放すもの。
意味がわからない。
さっきまでこっちが抵抗するのも無視してキスしてきたくせに。
『もういい、寝る!!』
もう、遥なんか知らない。
自分勝手なんだから……。
遥の意図がよくわからないながらも、避けられて傷付いたことを誤魔化すように腹を立てたふうを装う。
身を捩って遥の手を振り払い、背を向けようとした。
ところが……。
グイッ。
チュッ。
今度は強引に頭ごと引き寄せてキスされた。
『……ん、アッ……』
「ん……」
貪るような激しい口づけ。
何度も角度を変えて触れ合う、二つの唇。
自分が望んだことだというのに、息が続かない。
“くっつくな”と遥は言ったはずなのに、今は彼の腕に抱かれ、こうして求められている。
どうして?
けれどそんな思考さえも、触れる唇の熱に溶かされてしまう。