私こそ光る☆君 ~番外編~
「何だ、この程度か……」


静まり返った会場の中、玉座に背中を預け、がっかりした様子でつぶやく魔王。


腐っても魔王は魔王。

その魔力の高さゆえ、魔王には清龍の催眠術が効かなかったのです。


「仕方ないな」


パチンッと魔王が指をひとつ鳴らすと、近くにいた家来が目覚めました。


「悪いんだけど、アレどこか隅の方にでも運んでおいてくれるかな?」


そう言って魔王が示したのは清龍。

清龍は自分で自分の術にかかってしまい、その場で眠りこけてしまっていたのです。


「はっ、かしこまりました!!」


慌てて立ち上がり、敬礼すると家来はいそいそと清龍を運び出しました。


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