あまあいよ
ふい、と天使は顔をそらして言った。

「…男、か?」

そう言って天使―新田諒は少しうつむく。長い睫毛がゆれた。


「ああ?」

「男、だよ。お前今日様子が変なんだよ。」


ああ、そういえば今日一日、授業も上の空だった。


「昨日、一目惚れしたんだって。」

あかりはボソリと、二人がお似合いだと思うのに、と呟いたので私はあかりを睨んだ。


「お前うじ虫じゃなかったのかよ。生意気」

にやり、と天使が悪魔の顔になる。

「新田には関係ない」

新田は
む、とした顔になった。
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