シークレットLove
エレベーター早く来て!
光は5階の所で点滅していた。
5階ですら長く感じた。
チィーン
エレベーターの扉が開いた。
中には誰もいなくて、すんなり入れた。
撮影する部屋は10階にあるのだ。
10階のボタンを押して、待つ。
でもものっすごく長く感じる。
早く~!
7階…8階…9階…10階。
チィーン
やっと着いた!
そしてダッシュ。
部屋へと急ぐ私達。
こんなに走ったの久しぶりだ。
衣装を忘れてしまった…重たい気持ちと疲れで、あまり速く走れない。
急ごうとは思っているけれど、足が思うように動かない。
ピタッ
私達は足を止めた。
目の前には“撮影場所”と書かれた扉がある。
…着いた。
扉に手をかけた。
ゴクッ
生唾を飲んだ音が廊下に小さく響く。
開けるしか…ないっ!
思い切って。
ギィッ
扉を開けた私の方に視線が集まる。
うぅ~。
見られてる…。
「おはようございます♪」
なるべく平然を装って明るく挨拶をした。
「おはようございます」
挨拶の返事が返ってくる。
カメラマンさんの元へ小走りで近づく。
そして頭を下げた。
「遅くなってしまって…すみません!」
「すみません!!」
玲ちゃんも頭を下げてくれた。
「大丈夫ですよ?まだ5時ではないので」
優しそーな年上のカメラマンさんはにこっと微笑んだ。
えっ!?
嘘…。
時刻を確認。
4:55。
なんだ、良かった。
「では、衣装に着替えて下さい」
…そうだったー!
再び頭を下げた私達。
「「すいません!」」
ハモった。
…カメラマンさん、驚いてるだろうな。