シークレットLove
ガラッ
勢いよく扉を開けた。
朝日は未だにあそこを抑えていた。
そんなに痛かったのかな…。
可哀想とは思ったけど、謝ろうとは思わなかった。
朝日が悪いんだもん!
それに可哀想って変かも。
私がやったんだから。
…ってそんな事より!
衣装だよ、衣装!
確か鞄はベッドの上に置いたはず…。
あった!
すぐ右のベッドの上に鞄があった。
その鞄を取り、保健室を後にした。
―――「ハァ、ハァ」
息を切らし、ダッシュで廊下を走る私。
撮影の事をすっかり忘れていた私は、迎えに来てくれたマネージャーの玲ちゃんのもとへ向かってる途中。
…廊下がなが~い!
意味わかんない…。
なんでこんな長いわけ?!
やっと下駄箱だし…。
でも、こっからが本番。
校門から校舎がものっすごく長い。
校舎用の靴から外用の靴に履き替えた私は、とりあえずダッシュした。
考えてる暇はないから。
玲ちゃんを待たせてるんだから早くしなきゃ!
あっ!!
やっと玲ちゃんの車が見えてきた。
つか今何時?!
走りながらバッと振り返り、校舎の時計に瞳をやった。
4:20
やばっ!
撮影は5時から。
これはホントにやばい。
前に、振り向き直し玲ちゃんの車に向かって更にスピードUPした。
どんどん玲ちゃんの車が大きくなっていく。
それと同じように私の息使いも荒くなっていった。
「ハァハァ、ハァハァ」
「凛!」
やっと玲ちゃんの車に辿り着いた。
「ハァ、…玲…ちゃん、ハァ、ご…めん…ね」
膝に手をついて息を整えた。
「大丈夫!凛こそ、大丈夫?!」
「だい…じょーぶ」
「よしっ。なら乗って!」
すると後部座席の扉が自動で開いた。
「うん!」
やっと息が整った私。