シークレットLove
着いちゃう~~!!
焦って焦って、焦るしかなかった。
なんでこんな事しかできないのよぉ!!
焦りすぎて怒りが込み上げてきてしまった。
「凛…。もう駐車場に着いちゃった…」
ゆっくりあたしの方へと振り返った玲ちゃんは、うるうる潤んでいた。
玲ちゃん?!
泣くなって言ったの玲ちゃんなのに…。
自分が泣いちゃって…説得させられた私って!?
呆れ、びっくりしていると、
「咲野 凛さんとマネージャーさんですね?お通り下さい」
警備員のおじさんにそう言われた。
停める場所は決まっている。
うぅ~!
ホントやばい。
胃がムカムカしてきた。
緊張すると何とも言えないけれど、胃がなんか変になる。
1番最適なのが“ムカムカ”だった。
制服のスカートのポケットからケータイを取り出し、時刻を確認。
げっ!!
4:50。
私は慌てて前に身をのり出していた。
「玲ちゃん!やばいよ、もう50分!急いで玲ちゃん!!」
「りょ、りょーかい!」
玲ちゃんは慌て出し、素早く車を停めた。
「急げー!」
停められた事を確認すると、すぐに車から降りた。
玲ちゃんも私の後に、車を降りた。
またダッシュ。
ひたすら走り、撮影する部屋へと急ぐ。
玲ちゃんはヒールだから走りぬくいのか、少し距離がある。
「急いで、玲ちゃん!撮影始まっちゃうよ」
「急いでるよ~」
玲ちゃんはもう疲れている。
でも、急がなくちゃいけない。
入口を抜け、エレベーターに着いた。
私は「ハァハァ」と肩で息をする程度だったが、玲ちゃんは「ゼェゼェ」膝に手を置き、息を整えていた。