魔王家
23歳
―時は満ちた―
魔王への情報操作も、既に意味を為さない状況になってしまった。
勇者はもう間もなくやって来る。
「魔王様、大変申し訳ありませんが、悪い報告があります」
メイヤはアレンがアイテムを二つとも入手したとの報を受け、最早これまでと、魔王に報告をすることにした。
「申してみよ、メイヤ」
魔王は表情を変えることもなく、メイヤを見据える。
メイヤは意を決し、口を開いた。
「ダンジョンが……全て攻略されました」
魔王もそれだけ聞けば、それがどういう意味か分かる。
「勇者が城へ来るのじゃな」
「恐らくは……」
それまで口を閉ざしていたアーサンが、いきなり叫んだ。
「もえちゃん、なんでそんなに冷静なの!勇者が来るんだよ!」
それを聞いても魔王は揺らがない。
「分かっておるよ、アーサン。勇者が来たらどうなるかということも。何より、その勇者がアレンだということも……」
アーサンはそれ以上、何も言えなくなった。
この時、メイヤも魔王の口から『アレン』と出たのを聞き、自分のやって来た情報操作の無意味さを恥じる。
「一人にしてくれ」
魔王にそう言われた二人は、静かに魔王の部屋を出た。
魔王への情報操作も、既に意味を為さない状況になってしまった。
勇者はもう間もなくやって来る。
「魔王様、大変申し訳ありませんが、悪い報告があります」
メイヤはアレンがアイテムを二つとも入手したとの報を受け、最早これまでと、魔王に報告をすることにした。
「申してみよ、メイヤ」
魔王は表情を変えることもなく、メイヤを見据える。
メイヤは意を決し、口を開いた。
「ダンジョンが……全て攻略されました」
魔王もそれだけ聞けば、それがどういう意味か分かる。
「勇者が城へ来るのじゃな」
「恐らくは……」
それまで口を閉ざしていたアーサンが、いきなり叫んだ。
「もえちゃん、なんでそんなに冷静なの!勇者が来るんだよ!」
それを聞いても魔王は揺らがない。
「分かっておるよ、アーサン。勇者が来たらどうなるかということも。何より、その勇者がアレンだということも……」
アーサンはそれ以上、何も言えなくなった。
この時、メイヤも魔王の口から『アレン』と出たのを聞き、自分のやって来た情報操作の無意味さを恥じる。
「一人にしてくれ」
魔王にそう言われた二人は、静かに魔王の部屋を出た。