魔王家
メイヤの部屋に入ったアレンは気が引けていたが、物色を始めた。

城の中で人の気配がしないので、魔王がいる場所の手掛りを探さなくていけない。

「女の人の部屋だからなぁ、迂濶に引き出しとか開けられねぇ」

あたふたしながら、部屋を見渡してみると宝箱を見つけたアレン。

「こういうのは開けていいんだよな?」

普段宝箱には興味はないが、今日ばかりは開けないと先へ進めない。

「これは……」

宝箱を開けると、何かの資料と日記のようなものを見つけた。

それは魔王の育成記録と魔王の状況やマーサについて書かれていた日記である。

アレンはその資料や日記を読んだ。

「もえはこんな風にして育てられてたのか。それより気になるのはこの初代魔王の存在だな」

初代魔王マーサがもえの中にいること、そのマーサの力が強大であること、そしてマーサの野望がヤバいこと。

「やはり……『魔王』の存在は消さないとだな」

ある程度状況を理解したアレンは日記をバックの中に入れた。

「しかし、せんべいやばいな」

日記に魔王のせんべいの好みについて書いていたページがあり、それを見てアレンは焦った。

「まぁ大丈夫かな」

他には何も大切そうな物はなさそうなので、次の部屋を目指す。
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