魔王家
メイヤの放った魔法がアレンの横をすり抜け、魔王に向かっていく。

「何をしておるメイヤ!」

魔王は飛んできた魔法をすんでのところで、自分の魔法で相殺した。

「ちゃんと勇者に……っ!」

相殺した魔法の煙の陰から今度はアーサンが、魔王に攻撃を仕掛けた。

アーサンとメイヤの得意の連携プレーだ。

魔王は意表を突かれたので、防御が後手にまわる。

「マーサ、もえちゃんを返してもらうよ」

長年の訓練でアーサンは魔王の癖を熟知していた。

後手にまわっている魔王の体制を崩して、アーサンはアレンに合図を送る。

「今だ、アレン!」

「ああ。このチャンスを待ってたんだ。一発で決めるぜ」

アレンは残りの力を剣に全て注いでいる様だ。

魔王の『邪悪な心』を消し去るほどの力が剣に溜まり、いつもとは違う光り方をする。

「いくぜ」

アレンは光る剣を握り締め、魔王に向かい突進していく。

「何故アーサンやメイヤが余に背き、アレンに手助けをするのじゃ!」

そしてアレンの剣は魔王へ振り降ろされる。

「自分の胸に手を当てて聞いてみな」
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