魔王家
6歳
「……はい。はい。では来月からよろしくお願いします」


アーサンと魔王は体術の訓練をしている。
さすが魔王の血筋だけあって初期ステータスが異常に高く、油断は出来ない。
アーサンの場合は色んな意味でわざと敗けたりしてるが。
魔王に自信をつけるため、魔王になじってもらうために。

「魔王様!」

訓練所にメイヤが慌ただしく入ってきた。

「魔王様、来月から学校に通ってもらいます」

「何故魔王のもえが学校に通わねばならぬのじゃ」

もっともだった。

「義務教育だからです」

「何じゃそれは?食えるのか?」

お約束頂きました。

「昔とは違うんです。魔王が世間知らずだと勇者に馬鹿にされてしまいます。ですので、嫌でも通って頂きます」

「別に引きこもりでもいいじゃ……」

例によってアーサンは星になった。

「そうか……。学校にせんべいは持って行ってもいいのか?」

「ランドセルに入る分だけならいいですよ」

それを聞くと魔王は納得していた。

魔王はまだまだ子供でした。




修得:妥協
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