魔王家
―数日後―

この間の有名なチンピラ風ヤンキー少女二人組の話をメイヤとアーサンに話した。

「新しい部下が出来るのは気分がよい」

などと。

するとメイヤが

「魔王様は第二次成長期を迎えて、体と共に『支配力』が急激に成長しております。ですので、そのようなお気持ちになるのです。これから付き従う者が増えるやもしれません」

魔王はなるほどと納得している。

「もえちゃん可愛いからモテモテなんだねぇ」

こいつはなんて話の腰を折るのが上手いこと。

「アーサンが言っておることもあながち間違ってはいないのですが……」

「でしょでしょ?」

「お前はもう喋るな!!魔王様、来るもの拒まずで友達と言う名の『駒』としてキープしておいて下さい。将来役に立つはずですから」

「うむ。分かった」

さらにその後。

二人が話していた。

「アーサン、魔王様はやはりおかしいぞ。第二次成長期を迎えた魔王は『支配力』と後もう一つ『邪悪な心』も育たねばならぬのに一向にそれがない」

アーサンがそんなこと分かるはずない。
それどころか可愛い魔王に夢中で、気づきもしなかったのは内緒の話。

「もう少し様子をみよう」




修得:魔王の自覚
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