魔王家
15歳
 それもまた運命なのだろう


―とある全国大会決勝―

「さぁー中学総体空手決勝戦!!今年は大変なことになっているぞ!!入部以来負けなしの超大物!!三連覇の偉業を成し遂げるか!!もえ選手入場だ!!」

魔王はもう調子に乗りまくっていた。

強さもさることながらその美貌はマスコミ、報道陣の恰好の的である。

「楽勝じゃな」

余裕を見せる魔王。
皆の声援を一心に受ける。

「相手選手は咬ませ犬同然!!とても可哀想だ!!」

とアナウンサーの一番酷い一言。

そして試合が始まった。

「おりゃー!!」

相手選手はもうヤケクソだ。
しかしヤケを起こした人間ほど厄介な者はいない。

突進してきたかと思いきや、素晴らしい切り返しで上段蹴りが魔王の顔を狙う。

だが、魔王の快進撃の勢いは止まらない。
上段蹴りをブロックした魔王の即座の反撃。

「あたたたたたたた!!」

漫画の読みすぎである。
だが、型は綺麗なので全弾命中。

「お前はもう……」

「わー!!」

凄い拍手と大歓声で決め台詞は書き消された。

魔王は勝ったのに何故かへこんでいた。

とにもかくにも、魔王は三連覇の偉業を成し遂げた。




修得:体術
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