魔王家
―イベント終了後―

魔王は城の自室にいたのだが、

「なんじゃこの血は……。なんじゃこの顔は……」

鏡を見た魔王は驚愕した。
腕や服、顔に至るまで誰のものやも知れぬ血が付着していたのだから。

魔王は先ほどの出来事を覚えていなかった。
いや、腕を切られた所までは覚えている。

だがその後を覚えていない。

「これはあいつの血か?もえがやったのか」

魔王には分からない。ただ彼の血以外考えられない。

「もえはどうなってるんだ……」

魔王。

本来、支配者としてこの世界に君臨する者。
自分の心すら支配してしまう『何か』が自分の中にいることを魔王は初めて自覚した。

『もえ』としての自分ではなく、『魔王』としての何かが。




修得:もう一人の魔王
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