魔王家
―秋も夕暮れ―

一人の女子生徒が魔王のところにやってきた。

「もえごめーん、いきなりで悪いんだけど今日の合コンで一人欠員でちゃって」

「ふーん」

(もえは数合わせか?合コンに行ったことないからって馬鹿にしおって)

心の中で不平を漏らしながらも行くことを決めた。

(全員もえの虜にしてやる)

数合わせ合コンをぶち壊す野望を抱きながら。

場所は某カラオケ店。

「もえでーす。空手やってました」

とキャラが違う魔王の自己紹介。

「そんなに可愛いのにもえちゃんめちゃくちゃ強いんでしょ?」

男は中学時代の魔王を知っていたので余計に食いつく。

(いつものもえじゃない)

誘った女子生徒が戸惑う。
合コンに来た事のない魔王は大人しくしていると思っていた。

だが魔王の容姿と空手をやっていたというギャップが男共のストライクゾーンに突き刺さる。

男共の視線を集め、してやったりの顔をする魔王。

(もえが本気を出せばこんなものだ)

しかし本気を出しすぎた魔王は合コンに来た事を後悔する。

男共のアプローチの対処が面倒だった。




修得:負けず嫌い
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