魔王家
―夏休み中―

「魔王様、ゲームなどはなさいませんか?」

「僕も混ぜてよ」

「お前は一人で人生ゲームでもやっていろ」

みんなで楽しくやるはずのゲームの参加を許してもらえないアーサン。

「どんなゲームじゃ。もえでも出来るのか?」

「はい、もちろんです。ただゲームで遊んでもらうだけではございません。これも魔王教育の一貫です」

今は便利な世の中である。
RPG、パズル等何でも揃っていた。

「魔王教育の一貫と聞くとやる気が下がるな。仕方ない、やってみよう」

そうは言いながらも、魔王はメイヤが用意したゲームを始める。

どっぷりはまった。

やっていたのは有名なRPGだった。

「意外に簡単じゃな」

それもそのはず、内容は初代勇者を題材にしたもの。
以前読んだ『伝説全集』にダンジョン攻略が載っていたのを魔王はぼんやり覚えていたのだ。

滞りなくゲームが進行するので楽しかったようだ。

「これが魔王教育と何の関係があるのじゃ?」

「魔王様がダンジョンを作る際にお役にたちます。ダンジョン攻略の際の謎解きや罠設置などに必要な発想力が見につきますのでやって頂きました」

「こんなに楽しいならいくらでもやるぞ」

魔王は徹夜でゲームをしていた。

途中寝落ちしながら。

「子供生まれても誰も祝ってくれないや」

本当に一人で人生ゲームをしていた奴がいた。




修得:発想力
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