魔王家
―二ヶ月程前―
まだ魔王がメイヤに進路の相談をする前の話である。
メイヤに異変が起きた。
その日は新月で闇が辺りを埋め尽し、何故か一切の音が消え去っていた不思議な夜だった。
そんなことは気にせずに寝ていたメイヤは突如何者かに自由を奪われた。
「メイヤ、お前が余を復活させるのじゃ」
メイヤは自分に訴えかけてきた主が分からない。
「余はドレイク・ド・マーサじゃ」
(初代様!)
意識だけははっきりしていた。
「今の魔王は『邪険な心』が弱すぎる。有ろう事か余の存在を意識した時より魔力を使うことすらしない。このままでは魔王として君臨出来ぬ。余は今度こそ世界を我がものにしたいのじゃ」
確かにメイヤは今の魔王が『魔王』としての資質に欠けることを懸念していた。
(確かにそうでございますが、あくまで我々の役目は勇者に倒される魔王を育てあげること、それにそんなことをしたら今の魔王様の人格は……)
そんなことを考えていたメイヤ。
次の瞬間。
まがまがしい魔力のようなものがメイヤを襲う。
(初代様お止めく……)
マーサの意識がメイヤの頭の中に完全に入った。
「お前の体をちと借りるぞ。余の復活を手助けしてもらわねばな」
マーサはメイヤの体を乗っ取った。
「まずはもえの体を余が使い易いようにせねばな」
まだ魔王がメイヤに進路の相談をする前の話である。
メイヤに異変が起きた。
その日は新月で闇が辺りを埋め尽し、何故か一切の音が消え去っていた不思議な夜だった。
そんなことは気にせずに寝ていたメイヤは突如何者かに自由を奪われた。
「メイヤ、お前が余を復活させるのじゃ」
メイヤは自分に訴えかけてきた主が分からない。
「余はドレイク・ド・マーサじゃ」
(初代様!)
意識だけははっきりしていた。
「今の魔王は『邪険な心』が弱すぎる。有ろう事か余の存在を意識した時より魔力を使うことすらしない。このままでは魔王として君臨出来ぬ。余は今度こそ世界を我がものにしたいのじゃ」
確かにメイヤは今の魔王が『魔王』としての資質に欠けることを懸念していた。
(確かにそうでございますが、あくまで我々の役目は勇者に倒される魔王を育てあげること、それにそんなことをしたら今の魔王様の人格は……)
そんなことを考えていたメイヤ。
次の瞬間。
まがまがしい魔力のようなものがメイヤを襲う。
(初代様お止めく……)
マーサの意識がメイヤの頭の中に完全に入った。
「お前の体をちと借りるぞ。余の復活を手助けしてもらわねばな」
マーサはメイヤの体を乗っ取った。
「まずはもえの体を余が使い易いようにせねばな」