魔王家
アーサンの堪能という名の悶絶が収まった後に、二人はこれからについて話し合った。

「初代様の存在はもえちゃんには隠しておこう」

下手に混乱させてはいけないというアーサンの配慮。

「そうだな。初代様が出てきたら何とか我々で対処しよう」

マーサにぶちギレのメイヤは言いたいことが山ほどあった。

メイヤもアーサンも初代様に仕える者ではなく、魔王もえに仕える部下。

二人ともマーサに義理建てするつもりはなかった。

「初代様のためにこれ以上、事態を悪化させるわけにはいかない」

二人は大きく握手を交わし、魔王が『魔王もえ』として魔王の仕事を全う出来るように守っていくことを誓った。

「時にアーサン……いつまで手を握っているんだ」

メイヤの右手を両手で包み込むように握るアーサン。

「いやーメイヤと握手なんてしたことなかったから感慨深くてね」

ただ触っていたいだけだった。




修得:なし
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