サヨナラバイバイ
ねぇ?


君にだけの呪文言うからさ。振り向いて。ほんの一瞬でいいからさ。



君から教えてもらった呪文唱えるから。

君が唱えるよう仕向けた呪文。



―――新幹線。


ドアの開く音。



いっせいに人の足が早まったり、遅くなったり。



ネェ……?


いつ呪文唱えればいいの?


君が私を忘れたら?


それじゃあ私がかなしい。


今言うためにある呪文なの。
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