傷、のちに愛
「嫌いだよ。嫌いだし…私は、もう恋なんかしたくないから」
言葉にするとすごく悲しく響いた。
「だからさ、絵美が気にする必要なんてないから!私はこれでいいんだし。先生のことだってきっと偶然だよ」
私は笑顔を作り、そう絵美に言った。
そう。
偶然というより、気まぐれだと思う。
女の子たちがキャーキャー言ってるのに私は俯いてばっかりだったから、気になっただけだよ。
あんなふうにずっとやられたら、私が先に参ってしまう。
こうやって考えているだけでも、心のナイフは私にぐりぐりと深く刺さってくるんだから。
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