傷、のちに愛



すると絵美は、とんでもない一言を放った。

「先生、和葉の彼氏になってあげてよ!」



「ば、バカ!なに言ってんの!」

一瞬なにを言ったのか理解できなかったが、私は慌てて大声を出した。

すると、辺りは一気に静まりかえる。

「いいよ」

……は?

さらに辺りは静まりかえる。
そのあと、あちこちからひそひそとささやきが聞こえてきた。

なにこの状況?


「――――絵美!私、帰る!」

この異様な雰囲気に耐えきれなくなった私は、バッグを掴むとその場から逃げ出した。



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