傷、のちに愛
私を犯した連中は逮捕され、学校も辞めていた。
身体の傷が癒え、久しぶりに登校した私を待っていたのは罵声だった。
『アンタなんかもう二度と恋愛できないよ!だって汚いもん』
―――あぁ。
心の傷は深くなるばかり。
私はそれから学校に行かなくなった。
地元を離れるためにがむしゃらに勉強して、今の大学に入った。
それでも、苦しいんだ。
いつかこの闇に飲み込まれてしまう。
―――唯一私を支えているのは、この思いだけだった。
“二度と恋なんかしない。せめて唇だけは守る”
…奇跡的に、キスだけはされなかったから。
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