傷、のちに愛
6:溶けるように
―――――
―――
「―――――ッ!」
私は、声にならない叫び声をあげ起き上がる。
…いつのまにか、寝てたみたいだった。
また、あの夢か。
息を整え、冷蔵庫からお茶を出して一気に流し込む。
冷たい感覚が心地よかった。
―――♪♪♪
そのとき、携帯の着信音が部屋に鳴り響く。
…知らない番号だ。
恐る恐る通話ボタンを押し、耳を当てる。
『…和葉ちゃん?小早川です』
小早川千秋!
何で番号知ってるの?
「えっ!…どうして」
『鈴木さんから聞いたんだ。ちゃんと帰れたか心配だったから』
.