爽やか王子と内気少女
「……っ…」
驚いて声が出ないまま固まる永井君。
「なっ……永井君…」
まさかの本人に聞かれた告白に戸惑う私。
梨華ちゃんも永井君が居て驚いたみたいだけど、私ほどでは無かった。
「良かったね、香ちゃん!告白の手間が省けたよ!」
そう言った梨華ちゃんはドアまで小走りで行くと、ドアを開ける前に振り返った。
「香ちゃん、私ね…もう永井君に告って振られてるの!じゃあ先教室行くね!!」
梨華ちゃんは笑顔でそういうと図書室を出て行った。
どうしよう………
私はチラッと永井君を見た。
永井君は本を拾うと私の目の前に来た。
「聞くつもり無かったんだけど、あの…」
私はそのままどうして良いかわからず、下を向いていた。