爽やか王子と内気少女
「で…、香はどうしたいの?」
弥生ちゃんが気を取り直して私に聞く。
私は……
「私は簡単に諦められないよ……
失恋はしたけど、でも気持ちは自然に薄れるまで持ってたい。
想うだけなら迷惑も掛からないし…
それに、私はまだ自分に自信を持つ事を達成できてないから、
自信を持ちたいと思えたのも永井君を好きになったお陰だし、
振られてるけど、でもまだ想っていたい…
2学期も、前みたいに変わらず挨拶できたらって思う…」
「だいぶ前向きになったね!それなら大丈夫でしょう」
弥生ちゃんは安心したようにアイスティーにシロップを入れた。
「とりあえずこっちは良いとして………田中…」
弥生ちゃんはまた田中君を見た。
「ん?何?」
「これから私たちプールに行くんだから帰れ!」
ピシャリと田中君を切り捨てた…