爽やか王子と内気少女
伝える
「あれ?絵本のコーナーはこっちのはずですが…」
暴走したままの江角君は、場所を間違えたようだ…
「向こうじゃない?」
私が指差すと「ああ!」と反応してまた歩きだした。
そこへ、手を引かれてた方の腕が突然誰かに捕まれた。
びっくりして立ち止まると、
「ごめん、この手離して…」
と江角君を見て言うのは永井君。
「永井君!?」
「今から桃太郎探すんです」
江角君は否定をして進もうとした。
「じゃあ一人で探して…新垣は連れていくから」
そう言った永井君は、江角君の手も引っ張り、私を掴んだ手を離させた。
そのまま図書館の外へと早歩きで行く。
私は少し引っ張られる形で永井君について行った。