爽やか王子と内気少女

「永井～呼び出しだぞ～！」




教室のドアから、クラスの男子が永井君を呼ぶ。



永井君が見たのでつられて見ると、
呼んだ男子と、恥ずかしがって俯いてる他のクラスの女子。




「今行く～」



永井君はそう言って立ち上がった。






あっ…行っちゃう……


もう少し話したかったな～




なぜか永井君ともっと話したい自分がいた。







「新垣…」



呼ばれて、目の前の永井君の顔を見る。




「今度ゆっくり話そうな！せっかく席が前後なんだし!!」




笑顔でそう言った永井君は、

私の頭に、手を軽く乗せてから、
教室の入口に向かって行った。











「王子だね～」




「キザだわ～」





ギョッとして隣を見れば、



田中君と弥生ちゃんがニヤニヤしながら私を見ていた………