爽やか王子と内気少女
その時チャイムが響く。
助かった……
これ以上聞いてたら、
涙が出ちゃいそうだったから。
そしたら、優しい永井君はビックリして、
立場を弁えてない私に、皆が笑うところだっただろう……
次の授業は社会と言う事で、
隣の田中君は爆睡だし、
静かな教室で誰も後ろなんて振り返らないし、
特に指される人も居ないから、
ゆっくりと自分を落ち着かせる事ができた……
人に言う事も、想いを伝える事もない、
このぶつける場所の無い想いは、
自分を卑下して、自分を言葉で戒めて、
心の中で消化させるしか、
私には方法が見つからなかった……
私なんて…
私なんて…