爽やか王子と内気少女
弥生ちゃんの話を聞いて、ぐっと胸が熱くなった。
そんな風に思ってくれてたんだ…
「だから言ったろ?もっと自分に自信を持たなきゃ!」
隣の永井君が私の頭にポンッと手を乗せて微笑んだ。
「…ってかさ~、永井は何でここに居るのかな~?」
少し黒く笑いながら弥生ちゃんは永井君を見た。
永井君は焦った様に私の頭から手を退けると、落ち着き無く指を動かしていた。
「いや、本を返しに来た時、新垣一人だったから話をしてて…」
「ふ~ん…一人だからチャンスだと思って居座ったと…?」
「えっ!いやっ!その…」
さっきまでとは打って変わった二人の態度に、私は目で追うので精一杯だった。
ニヤニヤしながら永井君を攻める弥生ちゃんと、焦りながら弱々しく答える永井君…
永井君が「帰る!」と言って図書室を出ていくまで、二人の争い(?)は続いた……