爽やか王子と内気少女
わ~、ああやって永井君ファンが増えていくんだな…
「キザな男……」
いつの間にか私の席に来ていた弥生ちゃんが小さな声で呟いた。
「昼休み、皆体育館に行きそうだね…」
少し行ってみたいかも…そんな気持ちを持ちながら言う。
「新垣、西川、俺もバスケ出るんだ」
隣の席から、珍しく起きてる田中君が自分を指差しながら言った。
「何、その笑顔…」
弥生ちゃんが少し呆れて言う。
「冷た…少しくらい応援してよ…」
ため息を付く田中君に、慌てて私は「頑張ってね!」と言った。
すると田中君はたちまち笑顔になる。
「新垣は優しいね~ありがと」
そんな事を言った田中君はチラッと私の前の席を見た。
私もつられて見ると、梨華ちゃんたちと話を終えてた永井君が、後ろを振り返ってこちらを見ていた。
目が合い、胸の鼓動が早くなったのと、血が体中を流れて行くのがわかった。