爽やか王子と内気少女
「あっ、新垣…どうしたの?」
永井君が私の前まで歩いてくる。
「えっと、弥生ちゃんがトイレに入ってるから待ってるの」
自分より背の高い永井君を見上げながら答えた。
「そっか…体育館来るの?」
永井君は少し目を逸らしながら言った。
「うん、あっ…邪魔かな?」
「そっ、そんな事無い!ただの遊びだけど応援して貰えばやる気が出るよ…」
「そっか。皆永井君を応援するって言ってたもんね。梨華ちゃんも言ってたし!」
私が手で拳を作って言うと永井君は、少し寂しそうな顔をした。
「新垣は?」
「えっ?」
「新垣は俺を応援してくれる?」
真剣な顔になって言う永井君に戸惑う。
「勿論!永井君の事応援するよ?」