爽やか王子と内気少女
「じゃあさ……『頑張れ』って言ってくれる?」
「えっ?」
「田中に言ったみたいに俺にも言ってくれる?」
田中君に言ったみたいに…?
私は教室での事を思い出した。
「えっと…………永井君、頑張れ!」
少し赤くなりながら言うと、永井君は嬉しそうに微笑み、私の頭に手を乗せて軽く撫でた。
「サンキュー!俺、誰よりも新垣に応援して欲しかったんだ!」
そう言った永井君は「じゃあ」と言って、体育館へ走って行った。
残された私は頬を熱くさせて、言われた意味を考えた。
「私に応援して欲しかったって……えっ?」
「あれじゃー、告ってるのと同じじゃん…」
突然の弥生ちゃんの言葉から、私と永井君の会話を聞いてたのは明確だった…