爽やか王子と内気少女
雨が降る朝、お気に入りの傘に付いた雫をはらってから下駄箱へ向かった。
「香ちゃん、おはよう」
下駄箱で声を掛けてくれたのは、梨華ちゃんだった。
今日もクリクリっとした感じで、小さくて可愛らしい。
「おはよう」
私も挨拶を返すと、自然と教室まで一緒に行く形になる。
「こないだはごめんね?美波が変な事言い出して」
「えっ?あっ!ううん…」
協力の事を言ってるんだろう。
「でも、美波が私の為に一生懸命になってくれてるから、私も頑張らなきゃなって思ったんだ」
梨華ちゃんは嬉しそうに話していた。
意気込む梨華ちゃんを素直に「可愛いな」と思いながらも、少し不安になった。
「あっ!新垣…と、木村(梨華のみよじ)おはよう!」
調度バッタリと会った永井君にビックリする。
それは梨華ちゃんも同じな様で驚いてる。
「おはよう…」
私は恐る恐る言う。
「おはよう!」
梨華ちゃんは元気良く言った。