爽やか王子と内気少女
……誰かさんって私だよね……
「だからって他にも場所があるでしょ?」
弥生ちゃんがため息混じりに言う。
「ここなら新垣が起こしやすいし」
成るほど……つまりは私が起こすって事は決定事項らしい。
最近では田中君とも話す機会が多くなった気がする。
弥生ちゃんは「変なのに取り付かれたね」って言うけど、
あまり男子に友達って居なかったから嬉しい。
チャイムがなり、皆が席に着く。
私と田中君も自分の席に戻った。
「新垣次何?」
「社会だよ?」
「じゃあ寝る。授業終わったら起こして」
田中君はまた眠りについた。
田中君を見てため息を付くと、永井君がクルッと振り返った。
「最近田中と仲良いよね…休み時間も二人とも居ないし…」
少し強張った顔で永井君が言ったので、私は驚いた。