爽やか王子と内気少女
新しい始まり
「じゃあ、そこのスイッチ押せばオンになるんで…」
放送部の人が指示をしてくれ、私はマイクの前に座った。
弥生ちゃんは防音になってる部屋の外に居る。ガラスの大きなまどからこちらを見ていた。
凄く緊張して手の震えが止まらない……
そんな私を見兼ねてか、弥生ちゃんは部屋に入ると、
静かに私の隣に座って、コツンと私の肩に自分の肩をくっつけた。
ああ…弥生ちゃんありがとうね……
言葉は無いけど、気持ちが和らいだ。
私はそのままスイッチを押した。
「こんにちわ、図書委員の2年新垣香です。
今週から週2回、図書委員会より図書室の本の紹介をしたいと思います」
何回も練習した言葉をマイクに向かって話す。
以外にもスラスラと言えたので良かった。