爽やか王子と内気少女
私は目の前にある本を手に取った。
「今日皆さんに紹介する本は、●●社より出版の『旅』という詞の本です。その中からいくつか朗読します…」
その本は、作者が旅をしながら書いた、希望や孤独などがテーマの詞の集になってる。
どうか作者の願いが皆の耳に届きます様にと願ながら読み進めた。
「では、続きや他の作品が気になった方は是非図書室へ気軽にお越しください」
最後にお決まりの様な事を言った後に、マイクのスイッチをオフにした。
と、ため息が漏れた。
緊張した~
弥生ちゃんが手を私の手に重ねた。
「香、頑張ったね!やっぱり香の朗読は良いね~心に染みた」
防音室を出ると、放送部の人が「お疲れ様」と声掛けてくれた。