爽やか王子と内気少女
阿部君には災難だったのかもしれないけど、でも人に喜んでもらえたみたいで良かった…
また次も楽しんで貰えると良いな…
席に着こうとすると、永井君が席に戻ってきて前に座った。
そのまま後ろの私を見た。
私もドキドキしながら席に座る。
「放送聞いたよ」
優しく微笑みながら永井君は話した。
永井君も聞いてくれたんだ…
「新垣の声が急にして驚いた!
やっぱり新垣の声は良いな~」
無邪気に笑う永井君を見て、つい見入ってしまった。
言葉が詰まって、何を言えば良いのかわからない。
でも、無邪気に笑った後、前図書室で見たみたいな寂しそうな顔になった。
なんでそんな顔するんだろう……
無邪気な顔に見取れてたはずなのに、寂しそうな顔が頭から離れない。