爽やか王子と内気少女


江角君は私をサッと見て、目を反らさない様に見つめながら私のところまで歩いて来た。



江角君は周りを見てないので、机や椅子にガタガタぶつかりながら……


私はギョッとして一瞬逃げようかと思ったが、一歩下がった後ろは窓だった。

弥生ちゃんも、珍しく起きて居る田中君も、ビックリしてるようだ。





「あのっ!」


「ひぃっ!」


ガシッと江角君は私の両手を掴む。



少し離れたところで、椅子がガタッと倒れる音がすると、永井君がこちらを見ながら立ち上がっていた。





「俺、江角 小太郎(えすみ こたろう)って言います!!」



「はっ…はい…」



「…あのっ!付き合ってください!!」



江角君の言葉に、聞いた皆が「え…」と反応する。


私といえば、放心状態のままポカンと口を開いたまま。




 
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