爽やか王子と内気少女
…って私何をベラベラと…!
我に返って、頬が赤くなりながらも永井君を見ると、
永井君は少し複雑な顔をしてた。
「ごっごめんね、永井君…こんな話…」
慌てて言う私に対し、永井君は下を向いた。逆光で顔が見えない。
「……違うっ…」と言って顔を押さえると、苦しそうな寂しそうな顔で私を見た。
と、肩に手が置かれ引き寄せられる。
いつの間にか永井君の両手は私の背中に回っていて、
目の前に白いシャツしか見えない。
…………私……永井君に抱きしめられてる…
永井君はそれから「ごめん…」と言って、足速に教室を出て行った。
残された私は、その場に崩れるように座り込んだ。