爽やか王子と内気少女
離れて行く
朝、教室に入ると席に居た永井君と目があった。
「おはよう」
永井君はいつもみたいに挨拶をくれた。
「あっ…おはよう…」
でも、直ぐに前を向いて友達と話してる。
何だかいつもより素っ気ない気がする…
昨日の事も無かったような感じで、
何だかぽっかり空いた心。
「はい?放送部に入った?」
弥生ちゃんは私を見て聞き返した。
私が断ると思ってたらしく、凄く驚いていた。
「頑張ろうと思うんだ」
私の言葉に蔓延の笑みを見せた弥生ちゃん。
「で?あれはどうした訳?」
いつもの様に窓に寄り掛かりながら座ってる田中君が、どこかを指差しながら言う。
何だか、始めは「席がうるさいから」と迷惑がりながらこっちに来ていた田中君だったけど、
最近は3人で話ながら休み時間を過ごしている。
まぁ授業中に寝てる事はかわりないけど、
男友達って感じで嬉しい。