誘う手の群れ
「学校の人体模型を持ち出せないかな、あれが洞窟の中にあったらキモイよな?」


輝彦がなにか名案がないかと思案する。


「てゆうか、それは無理っしょ?」


「さすがに人体模型を持ち出すのは無理かぁ……、てゆーか、まず探検してからどこかでマネキンをパクってきて置きにいくかの?」


「てゆうか、探検するのいつにするんだ?」


「んー、明日……晴れてたら学校帰りに行くか? 懐中電灯持ってこいよ。」


「オーケー、オーケー。おれのLEDシェアファイアが唸るぜ!」


「例のSWATが使っているヤツっていうの?」


「そそ、かなりの光量だぞ。」


「それなら心強いな。」


「てゆうか、テルは懐中電灯持ってんの?」


「ああ、おれはドンキーで懐中電灯パクってきたから大丈夫だ。やっぱLEDのヤツだぞ。」


「それなら問題ないな。じゃあ明日な!」


昌人はそう言うと輝彦と別れた。

輝彦の前では積極的に話しに乗っていたのだが、実際のところ昌人は御宿穴探検には消極的であった。

というのは、昌人の祖母より再三に渡って御宿穴には近寄ってはならないと釘を刺されていたからであった。
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