氷菓少年は天然少女にかなわない
並木道を抜ければ、学校に着くのはあっという間だった。



すると、校門の前でオレンジ頭が騒いでいるのが見え、梨久は再び頭痛を覚える。



神無月といい、この幼なじみといいどうして、こうも関わってくるのか。



後者に関してはいい加減にして欲しいが。



無視を決め込んだ梨久が何事もなかったように、通りすぎようとすると、泣きつかれた。



「鬱陶しいんだけど」

「そんな冷たい事いうなよ!」

「はいはい。オレはお前と違って模範生だから」

「なんだよそれ!?」

「じゃあ、先生よろしくお願いします」



軽く風紀の先生に頭を下げ梨久は、さっさと校舎内に消える。



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