氷菓少年は天然少女にかなわない
「ちょっと考えてた提案があるんだけど、みんな聞いてくれるか?」



天使のような笑みを浮かべた黒宮を、瞬きせずクラスメイトは注目する。



「悪意を感じないか、俊」

「ちょっとな」



佐助と俊哉は頷き合う。



「絶対いい考えだと思うんだけど、最高の組合せだと思うんだ。

優等生だけど、面倒見は良くない時田にこの機会だから、神無月の事頼もうと思うんだよ」



その発言を聞いた梨久が、今度は不機嫌になる。



「ちょっと待ってください。それって、卑怯じゃないんですか」

「これも勉強だと思うんだよね。みんなはどうかな?」



この状況でそれをいうのか?と、更に静まり返る教室。



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