氷菓少年は天然少女にかなわない
 勝手に呼び出しといて、それはないだろうと思ったが、仕方なく教室へ戻る。



 一番前の窓際にある自分の席に何故か金髪、青いピアスのにやにやした少年がいた。



「はる、気持ち悪い」

「おい! 気持ち悪いってなんだ、りーちゃんの次にモテるイケメンに向かって!」

「頭打ったのか? 病院へ行っても、治らないだろうけど。邪魔だから行け」

「邪魔!?」

「いいからどけ」



 なかなかどかない金髪頭の少年を蹴れば、しぶしぶ席を離れる。



 それを見ていた近くの男子が、口々に言う。



「またやってんのか? 仲いいよなあ、お前ら」

「春夜と梨久は幼なじみだし。ま、おれは異性の幼なじみの方が嬉しいけど」



 勝手にクラス公認の仲にまでされてしまい、光王子と闇王子とまで、呼ばれるようになってしまった。


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