氷菓少年は天然少女にかなわない
そんなやり取りを見ていた春夜と俊哉は梨久の肩を、ポンと叩く。
「梨久一緒に帰ってあげたら?おれは春夜と帰るよ」
「女の子と帰れるなんて光栄な事なんだからな、むしろ俺は全力でうらやましいね」
「だったら、はるが帰ってあげれば?」
「ノンノン、笑佳ちゃんは君がいいの。じゃまた明日!」
言いたい事だけ言うと帰ってしまい、梨久と笑佳だけになってしまった。
いつの間にか他の生徒も帰ってしまい、まったく気づかなかった自分に梨久は嫌気がした。
静寂に満ちた教室。
梨久はこのまま無視して帰ってもよかったが、後々めんどうな事になるのは目に見えていた。
軽くため息をつく。
「離れて歩くなら、べつにいい」
「え?ほんと!?嬉しい」
「……」
「りっくん?」
「……なんでもない」
冷たい言い方をすれば、たいてい引き下がる。
なのに――――
「わけわかんない……変なヤツ」
「梨久一緒に帰ってあげたら?おれは春夜と帰るよ」
「女の子と帰れるなんて光栄な事なんだからな、むしろ俺は全力でうらやましいね」
「だったら、はるが帰ってあげれば?」
「ノンノン、笑佳ちゃんは君がいいの。じゃまた明日!」
言いたい事だけ言うと帰ってしまい、梨久と笑佳だけになってしまった。
いつの間にか他の生徒も帰ってしまい、まったく気づかなかった自分に梨久は嫌気がした。
静寂に満ちた教室。
梨久はこのまま無視して帰ってもよかったが、後々めんどうな事になるのは目に見えていた。
軽くため息をつく。
「離れて歩くなら、べつにいい」
「え?ほんと!?嬉しい」
「……」
「りっくん?」
「……なんでもない」
冷たい言い方をすれば、たいてい引き下がる。
なのに――――
「わけわかんない……変なヤツ」