氷菓少年は天然少女にかなわない
空が青い。



明らかにもうホームルームが始まってるだろうが、戻る気にも慣れずぼーっと空を見上げる。



多分佐助辺りがうまく黒宮に伝えてくれるだろう。裏庭を利用する生徒は少ないし、ここは数少ないここの学校の穴場。



来たタイミングがよかったおかげで教師に遭遇する事もなく、ラッキーだったかもしれない。



これからどうしようかと梨久が思った時だった。



「梨久!!!」

「来ると思った」



幼なじみの姿を一瞬視界に入れ、すぐ視線を逸らす。



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