氷菓少年は天然少女にかなわない
珍しくお昼休みが終わる前に黒宮が来て、前の戸から入って奥にある担任専用の椅子に座り足を組む。



「さっさと決めて、さっさと準備するぞ。クジで負けて、ここのクラスが全部用意しなきゃならないんだからな」



一切悪びれる様子のない黒宮に教室からため息がこぼれる。



「黒宮センセ、くじめちゃ弱いもんね」

「てかさ、当たった事ないじゃん?」



黒宮が笑みを浮かべる。



「明日から課題フルで出そっかな〜明日から授業飛ばそっかな〜?」



人の悪い笑顔に生徒は言い返す事もできず敗北。それから、梨久と佐助にすごくいい笑顔を浮かべた。



「……こわっ!みたみた!?泣く子も黙る腹黒をっ」

「聞こえるだろ、年寄りは地獄耳なんだから」

「お前ら聞こえてるからな」



黒宮に睨まれ、逃げるように教壇の前に梨久と佐助が立つ。



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