氷菓少年は天然少女にかなわない
「明日の交流会について意見がある人、挙手でお願いします」



春夜が手をちらつかせているのに気づくが、梨久は別の人を指す。



「じゃ西野」

「今絶対気づいただろっ」

「そうだね」

「俺が泣いてもいいの!!?」

「で、なに?」

「しかもスルーなわけ!?先輩たちに笑佳ちゃんの手作りのクッキー用意してもらって、プレゼントしたらいいと思うんだけど、どうよ!」

「……オレにいうなよ」



相変わらず無駄に賑やかな幼なじみに思わずため息をつく。大体、先にまず本人に聞くべきだと思うが、敢えて口にはせずとりあえず笑佳に聞いてみる。



「ムリに引き受ける必要ないよ?どうせはるの意見だし」

「ううん!やるよ♪」

「……そう。じゃあ神無月さんはプレゼント係、ね」



慣れた手つきで黒板に書いていく。静かにしていた佐助が何かを思いついたらしく、勢いよく挙手をする。



無視を決めたいとこだが、梨久もクラスメイトも、佐助がどれだけめんどくさいか知っているため、仕方なく梨久が折れた。



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